
親が亡くなってからずっと住み続けていた実家について、相続手続きをしていなかったことに気付くケースがあるかもしれません。
この場合、相続の時効取得が認められるかどうかによって、名義変更の可否が決まります。
そこで今回は、相続の時効取得の要件と、認められるためのポイントを解説します。
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相続財産の時効取得とは?
時効取得とは民法で定められている制度で、自分の物だと信じ長く使い続けていた財産に所有権が発生することです。
たとえば、土地の境界が曖昧だったために長年自分の土地と思い込んで使用していた場合などです。
「自分の物である」との思い込みのことを「所有の意思」と呼びます。
客観的に見て、思い込みが生じるのが妥当である状況が存在する場合のみ、所有の意思があることが認められます。
たとえば、長年賃貸物件に住んでおり、賃貸借契約書も存在する状況で「この物件の所有権は自分にある」と主張するのは無理があるといえるでしょう。
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相続財産の時効取得の要件
相続財産について時効取得が認められるための要件には、以下が挙げられます。
●所有の意思があること
●平穏かつ公然の占有であること
●一定の占有期間がある
●時効の成立を主張すること
平穏かつ公然の占有とは、暴力などによって使用を始めたわけではないこと、秘密にして使用を続けているわけではないことを意味します。
占有期間については、10年、または20年間が要件です。
原則的には20年間ですが、他の人の所有物だと知らず本人に過失がなく占有していた場合には10年でも認められるケースがあります。
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相続財産の時効取得が認められるためのポイント
相続財産の時効取得が認められるためにもっとも重要なポイントとなるのは「所有の意思」です。
所有の意思の有無は、占有が始まった原因から判断されるケースが多いです。
所有の意思が認められるケースとして、祖父が父に贈与したと聞いていた実家を例にします。
実家を父から受け継いだ自分の所有物だと思い込み、長年固定資産税などの費用を負担していた場合、所有の意思が認められます。
このケースでは、祖父が父に贈与した事実があるかどうかに関わらず、時効取得が認められる可能性があるでしょう。
一方で、所有の意思が認められないケースとして、相続人が複数いる相続不動産を例に挙げます。
遺産分割の話し合いが完了しておらず、故人の名義のままの不動産を相続人の1人が占有しているとします。
この場合、不動産は相続人全員の物であることを認識したうえで占有しているとみなされ、所有の意思は認められません。
そのため、時効取得も認められず、遺産分割協議によって正式に受け継ぐ人を決める必要があります。
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まとめ
時効取得とは、一定期間自分の所有物と思い込んで使用した財産について所有権が生じることを指します。
時効取得をするためには「所有の意思」が認められることが重要な要件となります。
賃貸借契約書がある、遺産分割協議中である、などの客観的な事実がある場合には、所有の意思が認められません。
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