金利を見るときに「短期」「長期」という言葉をよく目にします。この場合、「短期」とは1年未満の融資に用いられる言葉で、「長期」とは1年以上の融資に用いられます。
「プライムレート」とは、銀行が財務状況や業績が優れている最優良企業へ貸出す場合の利率のことを指していて、総合すると、長期プライムレートとは金融機関が企業に1年以上の融資を行う場合に用いられる最低金利のことを指すのです。この最優良企業とは一般的に、東証一部上場といったごく限られた企業であり、最優遇利率で融資を受けられる企業というのそう多くはありません。
この長期プライムレートの指標となるのが、みずほ銀行が公表している数字です。長期プライムレートはどこの金融機関でも公表しているわけではなく、みずほ銀行や新生銀行など、ごく限られた銀行だけが公表しています。日銀では、みずほ銀行の長期プライムレートを掲載していることから、長期プライムレート=みずほ銀行というのが一般的です。
不動産投資をするうえで、金利を短期にするか長期にするかは悩むところでしょう。長期金利を選択することは、今後の返済額の予定が組みやすかったり、経済状況に基づいて金利が大幅に上昇しても、現在の低金利のままで固定されたりするというメリットがあります。ただし長期プライムレートは変動が激しいという一面があります。これは日本国内の国債市場の影響を大きく受けることが理由の一つです。債券市場は日々動いていて、長期プライムレートもそれに連動する形で日々変わります。
例えば、2009年1月に2.25%だった長期プライムレートは、2010年10月には1.3%、2016年7月には0.9%まで下がっています。じりじりと下がり続けている長期プライムレートですが、逆に上がり続けることもあり見極めが非常に重要となるのです。不動産投資は、長い目で見て行っていくものです。投資においてリスクを完全に排除することは出来ませんが、現段階だけでなく、中長期的な戦略を考えて選択することが大切となるでしょう。