親族が亡くなった場合、遺産を相続することになりますが、その際には相続税という税金がかかります。相続する遺産があればあるほど、相続税も多くかかり、相続税の支払いによって遺産相続がもめるということも間々あります。相続される遺産の多くは、現金や家財などではなく、土地や建物といった不動産だという調査結果があります。不動産の相続は、相続税の支払いの問題もあるほか、施設の利用、どのように相続を分配するのかといった様々な問題が起こるため、生前贈与を行うことを勧める人も多くいます。生前贈与とは、生前に所有している財産を特定の人に譲る行為のことです。
不動産の生前贈与のメリットは様々ありますが、代表的なものが相続税の対策と相続する人をあらかじめ決められることがあげられます。生前贈与ならば、生きているうちに誰に不動産を贈与するかを決めることが可能です。生前贈与もなく、遺言もないとなると、相続人で遺産分割協議をしなければなりません。スムーズに話が進むこともあれば、大いにもめて、所有者がなかなか決まらないといったことにもなりかねないので、それが避けられることは大きなメリットです。また、相続税対策としても大いに役立ちます。生前贈与で不動産を贈与してしまえば、不動産の評価額分の財産が減ることになります。
そのため、遺産の中で最も多くを占める可能性が高い不動産分の相続税がかからなくなり、相続税の節税対策につながります。
生前贈与は、相続税対策にはなりますが、一定以上の相続を行えば贈与税がかかるため、メリットしかない方法ではありません。もし、贈与税も節税する対策を行いたい場合には、相続時精算課税制度を利用することをおすすめします。相続時精算課税制度とは、60歳以上の親・祖父母から20歳以上の相続人に対して贈与する場合は、2,500万円までは非課税にするという制度です。ただし、2,500万円を超える贈与に関しては一律で20パーセントの贈与税が科されるので注意が必要となります。不動産の評価額は贈与をする際のものが使用されるため、今後評価が上がったとしても贈与税が増えることはありません。
また、アパートやマンションといった不動産の評価額は、固定資産税の評価額と同じであり、借家権割合に応じて下がります。もし、不動産で収益を得ていた場合は、収益の分だけさらに相続税が増大する可能性もあるので、生前贈与を行うとより一層メリットが大きいです。
相続時精算課税制度を利用できない場合には、非課税枠となる110万円ずつ毎年不動産を贈与する方法があります。
不動産の生前贈与は相続税対策になるため、メリットが大きいですが、もちろん様々な手続きが必要で費用も掛かります。申請書などをはじめとした必要書類を提出しなければならないほか、登録免許税不動産取得税がかかるので、あらかじめ贈与にかかわる費用がいくらかかるかを計算しておくことをおすすめします。