経済状況のあまり明るい兆しが見えない中で、将来に備えて蓄えを増やそうと考えている人は多いでしょう。そんな中、老後のために苦労して貯めたものが、自分たちの死後、子どもたちに引き継がれることなく税金として持っていかれるとしたらどう感じるでしょうか。相続税はお金持ちの支払うもので、自分たちには関係ないと思っているかもしれませんが、東京などの都市部では地価が値上がりしているため、古い家屋であっても思いがけず評価額が高くなってしまうこともあるのです。
相続税の申告が必要ないとされる基礎控除額は、2015年に引き下げられました。今まで基礎控除額が5,000万円+1,000万円×法定相続人の数であったところ、2015年1月1日以降は3,000万円+600万円×法定相続人の数に改正されているのです。相続税の負担増はこれだけではありません。相続税率が引き上げられており、課税対象額が2億円超3億円以下の人には45%、6億円を超える人には55%といった新たな税率が適用されることとなりました。この改正により、相続税の課税対象者の割合は上がり、特に首都圏に住む人の割合が急増していると言われています。
なぜ相続税率が上がると不動産投資に注目が集まるのか
今まで投資先に株式などを選んでいた人が、新たな投資先に不動産を選ぶ人が増えています。その理由は相続税率が上がったことが一因です。現金や証券の価値は、額面の100%として扱われます。つまり現金や証券などが課税対象額6億円を超える場合には、高額な相続税がかかることとなり、資産がかなり目減りしてしまうのです。
しかし資産を現金などではなく不動産で相続した場合は、相続税の計算が変わってきます。不動産の価値というのは購入した価格で決まるわけではありません。評価課税といって、時価よりもかなり低い評価額に対して相続税がかかる仕組みです。また、所有している不動産を賃貸として貸している場合には、そこからさらに評価額を下げることが出来るため、結果として相続税率を下げることになります。不動産投資というのは、所得税の節税対策に有効と言われていますが、それだけではなく、今後の相続税対策として相続税率を下げることにも有効なのです。