仕事に便利で快適な生活を目指し、住みやすい街作りを進めるための具体的なプランが都市計画です。都市計画では建物を増やす計画を推進する市街化区域を定めています。市街化区域では必ず用途地域を定めなければなりません。用途地域とは、建築物の用途に応じて住み分けを定める制度です。用途地域が定められると、その場所に建築できる建築物の種類が決まります。この建築物の種類を定めたものが建築基準法の用途制限と言います。
用途地域は全部で12種類あります。その内訳は、住居系のものが7種類、商業系のものが2種類、工業系のものが3種類です。住居系は、低層住居専用地域・中高層住居専用地域・住居地域の3種類で構成されています。低層住居専用地域は、一戸建ての建物を中心とした閑静な住宅街にするための地域です。中高層住居専用地域は高層マンションの建築を想定しています。住居地域は住宅だけでなく店舗・事務所・ホテルなどの建物の建築も認められています。さらに道路沿いに設けられる準住居地域というエリアでは、規模の大きな駐車場や自動車関連施設の利便も図る施設の建築もできます。
住居系の用途地域にはそれぞれ第1種と第2種があります。第1種は「低層住宅に限る」というような厳格な制限がありますが、第2種は「主として低層住宅」というような緩和要件が付されています。つまり第2種は第1種より許可される建物の種類の範囲が広くなっているのです。たとえば第2種低層住居専用地域では、住居だけでなく小さなコンビニなどの店舗も建築できます。同様に第2種中高層住居専用地域では、マンション以外にコンビニの建設も認められています。
商業系の用途地域は、近隣の住民が日用品の買い物をする駅前商店街などの近隣商業地域と、デパートや飲食店が集中する繁華街のような商業地域に分かれます。
工業系の用途地域には、準工業地域・工業地域・工業専用地域の3種類があります。準工業地域は環境を悪くするおそれのない軽工業の工場などの建設が認められています。工業地域は大工場が集中している地域で、工業専用地域はコンビナートや工場団地になっている地域です。
用途地域が決まればそこで建てられる建築物の種類は制限されますが、中にはどこでも建てられる建築物もあります。まず神社・寺院・教会などの宗教施設が挙げられます。信仰の自由が憲法で保障されている以上、場所によって宗教施設の建築を制限することは許されないからです。次に保育所・診療所・公衆浴場など住民の健康・生活維持に欠かせない重要な施設も用途地域に関係なく建てられます。ただし診療所と同じ医療施設であっても、病院は低層住居専用地域や工業地域などで建築は認められません。また治安維持のために不可欠な派出所などの公益施設も制限はありません。