不動産を売却するときスムーズにいけば良いのですが、実際はそうでない場合もたくさんあります。
たとえば、実家を売りたいが所有者である親が入院中だったり、認知症で意思疎通ができなかったりするときはどうしたら良いのでしょうか。
今回は、所有者の入院中に不動産を売却する方法と、所有者が判断能力を失っている場合の対応について解説します。
入院中に不動産を売却する方法とは?
たとえ所有者が入院中でも、意思表示が可能であれば問題なく不動産を売却できます。
その方法は3つあり、1つ目は病院で契約することです。
ただし、この方法は買主に病院に出向いてもらう必要があり、病室でお金の話をするのも気が引けてしまうという問題があります。
また、新型コロナなどの感染症対策として面会が禁止されている場合は契約できません。
そこで、挙げられる2つ目の方法が、代理人を立てて契約することです。
この際に立てる代理人は、所有者の子や親族でなく弁護士などでも構いません。
信頼できる人物が代理人であれば、入院中の所有者も安心して契約を任せられるでのではないでしょうか。
なお、この場合は所有者の委任状と印鑑証明書、そして代理人の本人確認書類が必要です。
3つめのやり方としては、不動産の名義を入院中の親から子に変更してしまうことが挙げられます。
そうすれば、子は自分のものとしてその不動産を売却できるのです。
ただし、親から子へ物件を無償で譲渡するのであれば贈与税が、子に売却する形を取るのであれば子は購入資金を用意しなければならず、親には譲渡所得税が課せられます。
入院中の所有者が認知症である場合はどうしたら良いの?
売却した不動産の所有者が認知症などで意思表示ができない場合は、成年後見制度が利用できます。
これは、認知症などで判断能力を失った人の不利益にならないように、後見人を選んでその方を支援・保護する制度です。
この制度によって成年後見人になった方は、認知症の所有者に変わって不動産売却の契約が可能です。
しかし、この場合は家庭裁判所の許可がないと契約が成立しません。
成年後見人になれるのは、子や親だけでなく弁護士や司法書士などの第三者も含まれます。
なお、成年後見制度を利用するには、本人・配偶者・4親等以内の親族・検察官などからの申し立てが必要ですが、所有者の家族からの申し立てであれば問題ないでしょう。
申し立てのあとは家庭裁判所による審理がおこなわれ、審理には1か月から2か月かかるので、売却までのスケジュールは適切に立てましょう。

まとめ
所有者が入院中であったり、認知症で判断能力を失っていたりする場合でも、不動産の売却は可能です。
病院での契約が難しければ、代理人を立てたり名義を変更したりする方法があります。
すでにコミュニケーションを取るのが難しいのであれば、成年後見制度を利用すると良いでしょう。
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